| 相談者 |
家族(妻・娘) |
| 利用者 |
要介護4 男性 |
| サービスの種類 |
介護老人福祉施設 |
| 苦情内容 |
ベッドからの転落事故についての施設対応に納得できない。 |
|
- ● 申立内容
- 夜間、ベッドから転落し骨折したのに、施設が気づいたのは翌日の昼食時だった。転落の経緯、なぜ発見が遅れたのか知りたい。
- 事故により病院搬送となった旨の連絡を受けた際、職員から「人手が足りないから、ケガをすることもあるのよ」という不適切な発言があった。
- 施設を訪問した際、夫が職員に大声で叱責されているのを見た。また、痴呆のある夫の問題行動について、職員から度々注意を受けた。痴呆症の利用者には対応出来ないのか。
- ● 調査内容
- 利用者の事故前後から病院受診に至るまでの状況と職員の対応
- 家族への連絡及び説明について
- 施設サービス計画及び実施状況について
- 安全配慮について
- 苦情対応について
- 以上の項目を中心に、文書で施設に回答を求め、回答、資料を踏まえ、苦情処理委員会に諮る。
- 文書回答により、事故発生時間の認識をはじめ、対応について施設と家族の間に食い違いが生じているため、訪問調査を実施した。
- ● 調査結果
- 利用者が骨折した前後から病院受診に至るまでの状況について
介護職員が昼食の介助のため訪室した際に、ベッドサイドに倒れている利用者を発見、直ちに看護職員に報告。看護師が状態の観察を行い打撲だと思った。昼食は左足の痛みを訴え歩けなかったため車椅子で誘導。午後から嘱託医師の診察があり、診てもらったところ様子観察の指示があった。当日の夕方から、発熱と右足の疼痛が出現、翌日、病院受診した結果、右大腿部の頸部骨折と診断され、そのまま入院となる。
- 家族への説明と職員の発言について
施設は、事故当日家族に連絡はしなかった。申立人は、翌日病院受診に同行した職員から、入院した旨の連絡を受けて、夫の骨折を知った。その際、申立人に対し十分な説明が行われたと認められず、この結果、申立人は施設側の対応に不信感が募り苦情申立ての要因となっている。
職員の発言については、確認できなかった。
- 入所中の利用者への職員の対応について
利用者は声かけ誘導の際、拒否することが多かったが、強制的な言動はとらないようにしていた。難聴があるため、大きな声で誘導する等はあったが、叱責することはなかった。施設は、家族が怒られていると受取られたことに対しては反省している。
- 苦情の対応について
同一法人の在宅介護支援センター所長が、申立人を訪問した際に、申立人から苦情内容が伝えられた。直ちに施設に苦情内容を伝え検討、施設は所長にお詫びを託した。所長は、申立人を訪問し謝罪を行ったが、申立人は施設のお詫びとは理解していなかった。
施設側は所長が対応したことで、苦情についての処理は終わったものと理解していた。
- ● 指導・助言
- 申立人の夫が骨折をした経緯及び原因について、申立人に対して十分な説明が行われたとは認められず、この結果として、申立人は骨折後の施設側の対応に不信感が募り今回の苦情申立の要因となっているので、当委員会の調査結果も踏まえて申立人に対し、改めて説明を行うこと。
- 痴呆症の利用者の状態を判断するのは難しいが、事故発見時の状況から判断すると、発見時に協力病院において受診する必要があったと思われる。更に、倒れているのを発見した時や嘱託医の回診結果はその都度、家族に連絡し、十分な状況説明を行うとともに、家族の意向も聞きながら適切な対応をすることが必要だったと思われる。今後は緊急時には家族に十分な報告と適切な対応に努めること。
- 事故発生時に、適切に対応できるよう具体的な体制を整備するとともに、その体制が円滑に機能するように関係職員に対する研修の充実に努めること。
- 職員の言動については、本人や家族に誤解や不快感をもたれることのないよう、サービスの自己評価の実施や研修等を通して、サービスの質の向上に努めること。
- 痴呆性老人の介護にあたっては、利用者の尊厳を守り、敬意を持って接するよう努めること。
- 苦情処理にあたっては、迅速かつ適切な対応に努めること。
- ● 結果
- 本会の指導・助言を受けて、改善状況について以下のとおり報告があった。
- 申立人と話し合いを行い深く謝罪し、申立人の理解が得られた。
- 事故発生時の対応について
- ケア会議の開催について
- 今回の苦情を機に、介護サービスの改善に努める。
|