認知症の予防に口が深く係わる-国保でHOT情報2017年7月号-

6月4日から10日までの1週間は、歯と口の健康週間です。「認知症と歯の関係」について公益社団法人鹿児島県歯科医師会の石橋貴樹対外PR委員会委員に、また、「歯を失ったあとは」について同会の上國料剛対外PR委員会委員にお話を伺い、5月24日と31日の2週にわたってお伝えしました

認知症と歯の関係について

認知症の患者さんは多くなっているのではないですか?

石橋委員

はい。その通りです。厚生労働省によると認知症高齢者の数は2012年時点でおよそ462万人、65歳以上の高齢者のおよそ7人に1人だったのですが、2025年には、700万人前後に達し、65歳以上の高齢者のおよそ5人に1人になる見込みです。およそ10年で1・5倍にも増える見通しです。

認知症はお口と関係があるのですか?

石橋委員

そうですね。高齢者で健康な人は平均14・9本の歯が残っているのに対して、認知症の疑いのある人では平均9・4本と明らかな差が見られます。また、残っている歯が少ないほど、脳の機能が低下してしまうことも分かっています。

石橋貴樹委員

なぜ歯が少ないと脳の機能に影響が出てしまうのですか?

石橋委員

物を噛む行為は脳を刺激して、活性化することに繋がります。特に歯根の周りにある歯根膜(図1)はとても精密なセンサーで、噛んだ時の刺激を脳に伝えます。

脳を刺激するにはよく指先を動かすと良いとも聞きますが?

石橋委員

その通りです。では図2を見てください。 これはカナダの脳神経外科医ペンフィールドの脳地図です。これは脳の支配している体の部分を示したものですが、これを立体的に表したものが、図3のホムンクルスです。「脳の中のこびと」とも言われて、イギリスの大英自然史博物館に展示されています。

手がすごく大きいですね。

石橋委員

だから手や指先を動かしたり、触ったりすると脳をたくさん刺激するのです。
よく見ると顎や舌、唇も大きくありませんか?よく噛んで食べたり、おしゃべりしたり、歌ったりすることは口全体をとてもよく使うので、脳への刺激も多くなります。しかも、手からの刺激は脳にたどり着くまでに、シナプスという神経の中継地点をいくつも通るのですが、口の神経は三叉神経という脳神経が直接きているので、刺激も途中で弱められることなく脳に伝わります。

効率よく刺激が伝わるということですね?

石橋委員

はい。特に歯根膜からの刺激はとても重要と考えられ、歯が20本以上ある人と比べて歯が無く、入れ歯も入れていない人は、およそ2倍も認知症になりやすく、またよく噛んで食べられる人に対して、あまり噛めない人は1・5倍認知症になりやすいという研究結果もあります。

認知症の予防には歯はとても大切で、よく噛んで食べることが重要なのですね。

石橋委員

そうですね。そこで日本歯科医師会では、80歳で20本の歯を残しましょうという8020運動と、一口30回噛みましょうというカミング30(さんまる)を推奨しています。ただ気を付けていただきたいことは、自分の歯であっても噛み合わせが悪かったり、合わない入れ歯で噛んだりすることは、歩くことに例えると片足にスリッパ、もう片足にはハイヒールを履いて歩いているようなものです。

それでは身体を痛めてしまいそうですね。

石橋委員

はい。口では歯はもちろんのこと顎の関節や筋肉を痛めたり、姿勢まで悪くなり肩凝りや頭痛を引き起こしたりと、全身にも影響することがあります。噛み合わせや入れ歯をきちんと治した状態で、よく噛むことが大切なのです。 重度の歯周病になるとよく噛むこともできませんし、歯周病は糖尿病とも関連して、さらに糖尿病の人も認知症になりやすいことが明らかになっています。

歯を失ったあとは

歯を失うと、何か不都合なことが起こるのでしょうか。

上國料委員

はい、歯を失った本数が少なければ、そのままでもある程度噛むことができますが、そのまま放置しておくと、失った歯の隣りの歯が傾いてきたり、反対側の歯が伸びてきたりして、全体的に歯が動き歯並びが崩れ、噛み合わせが悪くなってきます。噛み合わせが悪いと、肩こりや頭痛などを引き起こしたり、自律神経に影響して、全身状態を悪くしたりする場合もあります。

歯を失ったところを補う方法はありますか。

上國料委員

歯を失ったところを補う方法としては、現在、主に、ブリッジ、入れ歯、インプラントの3つの方法がよく用いられています。
ブリッジとは、失った歯の両隣の歯を削り、それらを土台として歯を失ったところに橋を架けたように一体化したもので、複数の人工の歯で補うものです。
装着時の違和感が少なく、見た目もよく、ある程度自分の歯のようにしっかり噛むことができます。

ブリッジの欠点は?

上國料委員

はい、ブリッジの欠点としては、両隣の歯を削る必要があり、土台となる歯の負担が大きくなるのでその歯の寿命を縮めてしまいます。また、失った歯の本数が多すぎるとできない場合があります。

入れ歯はどうなのでしょうか。

上國料委員

入れ歯は、両隣の歯を削ることもなく、また失った歯の本数が多い場合でも広く適応することができます。ただ、ブリッジに比べると違和感がかなり大きく、残っている歯に金属のバネをかけるので見た目も悪く、また取り外す装置のため食べかすが溜まりやすく、ブリッジに比べると噛む力がかなり弱くなります。

 

 

 

 

 

インプラントはどのようなものでしょうか。

上國料委員

インプラントとは、顎の骨に直接チタンという金属を埋め込んで、その上に人工の歯を装着するもので、両隣の歯を削ることもなく、見た目もよく、自分の歯とほぼ同じように噛むことができます。
ただ、インプラントでご注意いただきたいのは、顎の骨に直接金属を埋め込むので外科手術が必要で、また、歯を失ったところの骨が少なかったり、体に重い病気をお持ちの方はできない場合があります。さらに、保険が全く適応されないので治療費が高くなります。

 

 

 

 

どの方法も一長一短ですね。

上國料剛委員

 

上國料委員

はい。ですから、一番良いのはご自分の歯を永く維持させることです。歯周病やむし歯で歯を失わないようにするためには、毎日のしっかりしたブラッシングと、歯科医院での定期健診でメンテナンスを受けるなどの予防が、最も大事になります。

2017-07-27
カテゴリー: 国保でHOT情報 

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